【コラム】同時に存在する世界 ―量子重ね合わせが教えてくれる柔軟性

みなさん、4月14日が「世界量子デー(World Quantum Day)」だったことをご存じですか?

世界中の研究者や教育機関が協力して、“量子”の世界をもっと多くの人に知ってもらおうと制定されたこの記念日。
実はこの「量子の世界」、私たちの物流や働き方、社会の在り方にも深いヒントを与えてくれるのではないでしょうか。


「今日の昼ごはん、ラーメンにしようか、それともカレーにしようか…」
そんな悩みを持ちながらお昼時を迎えたこと、誰しも一度はあるでしょう。

この時点で、私たちはまだどちらを選んでいません。ラーメンでもカレーでもない…いや、見方によっては「ラーメンであり、カレーでもある」とも言えるような、“可能性の状態”にあるそうです。

このちょっと不思議な感覚。実は、物理学のある分野では、これを本気で扱っているようなのです!!

それが、「量子力学」の世界で語られる「量子重ね合わせ(Quantum Superposition)」という現象です。


量子力学とは、極小の世界――原子や電子、光の粒などを扱う物理学の分野です。この世界では、私たちの常識が通じません。

たとえば、私たちが知っているコインは、投げれば表か裏、どちらか一方に落ち着きます。でも量子の世界では、コインが「表であり、同時に裏でもある」状態が存在するのです。これは単なる例え話ではなく、実験によって観測される本物の現象です。

つまり、“決まっていない”というより、“どちらもあり得る状態”として存在する。しかも、それは「観測されるまでは決まらない」とのこと。。??


こうした現象は、コンピュータや通信、暗号技術の未来を切り拓く分野として注目されているようです。
ですが、私のような一般社会で生きる人間にとっても、この「両方があり得る」「決めつけず、可能性を抱えたままにしておく」という考え方は、とても示唆に富んでいるように感じます。

今の世の中は、かつてないほど“曖昧さ”や“揺らぎ”を受け入れることが求められています。正解が一つではない時代。AかBかではなく、「Aでもあり、Bでもある」状態を、柔軟に受け入れる力が大事なのかもしれません。


物流業界もその例外ではありません。

かつては「購入して保有する」ことが当たり前だった物流機器も、いまや「必要な期間だけレンタルする」「複数の現場で共有する」「繁忙期と閑散期で使い分ける」といった、よりフレキシブルな運用が求められるようになりました。

ドットアークスでは、そうした時代のニーズに応えるべく、物流機器を“ひとつの固定された役割”にとどめるのではなく、「多様な活用の可能性を持った存在」としてあるべく奮闘しております!

たとえば、あるカゴ車が、ある日は福岡の食品工場で使われ、翌週には宮崎の物流センターで突発的な需要対応として使われる。そんな“重ね合わせ的”な存在が、いまの現場には必要とされているのではないでしょうか。


量子の世界から学べるのは、決して専門家だけの話ではないかもしれません。
「答えを出さないこと」「ひとつに決めつけないこと」にこそ、柔軟性や創造性の源がある。

物流も、働き方も、社会のあり方も、どんどん“ひとつじゃない”時代へと進んでいます。

量子のように、私たちも“多様な可能性を重ね合わせたまま”未来を描いていく。
そんな発想が、これからのビジネスをもっと面白く、しなやかにしてくれると願ってやみません。


ラーメンもカレーも選べないあなた。
次は「ラーメンカレー」なんて新しい選択肢に、トライしてみてはいかがでしょうか?
私は遠慮いたしますけれど・・・

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